初めまして!マクミラン・アリスのイベントをご紹介します案内人、スペードでございます。

今回私が初めてレポートいたしますのは出版160周年を記念して開催された『不思議の国のアリス展』。

皮切りとなった横浜会場に加え、つい先日大好評のうちに幕を閉じました大阪会場の写真を交えながらお送りいたします。

今回足を運べなかったという方も、これから行きたいという方もどうぞご覧くださいませ!

1862年、数学講師であったルイス・キャロルが、学寮長の3人娘をお守りのため舟遊びに連れ出し、即興で話して聞かせた『不思議の国のアリス』は、その2年後の1865年にイギリスのマクミラン社より出版されました。(詳しくは本サイト内「アリスを知ろう」のページへどうぞ!)

160年という年月が経過し、世界で、アニメーションや映画、ゲームなど様々な形で知られている今日においても「アリス」は、初めてアリスを世に送り出したマクミラン社オリジナルとして大切に引き継がれ、変わらず愛されています。

今回の「不思議の国のアリス展」では、この「マクミラン社のアリス」こと「マクミラン・アリス」の貴重なカラー原画が日本初となる一挙公開!書籍などの資料もあわせ約250点が展示されていますよ。

原画の他に物語のモデルとなったアリス・プレザンス・リデルの写真のほか、キャロルにまつわる展示や、「アリス」の歴史を追うことができる貴重な書籍などもじっくりお楽しみいただけます。

最初の会場となる横浜では、2024年4月17日より横浜高島屋ギャラリー8階で開催され、なんと1万5千人以上の皆さまがお越しくださいました。

ではさっそく会場を少しだけ覗いてみましょう!

スポットライトが当たるシンプルな入り口が気持ちを高めてくれます。

右側には注意の看板が……と思いきや、「撮影OK」の嬉しい表示。なんとこの「不思議の国のアリス展」では写真や書籍など一部を除いて展示の撮影が可能となっています。

ご自身のお気に入りの絵を後ほど振り返って楽しむのもいいですし、SNSで推し活を伝えたい今の時代にも嬉しいですね。

一足奥に足を踏み入れるとそこには白ウサギのパネルが。

チョッキから懐中時計を取り出している白ウサギの挿絵は大変印象的ですよね!好奇心がフルに呼び起こされて。アリスがたまらず後を追って行ってしまうストーリーも納得です。

よーくご覧になってみてください。奥にはアリス、そしてその向こうに走り去っていく白ウサギの姿が立体パネルとなって設置されています。

展示を見て進んでいくうちに、皆さんも段々と不思議の国へどっぷりと入って行ってしまうよう、仕組まれているのかもしれません!

展示は物語の流れに沿って進んでいきます。アリスシリーズの挿絵を網羅しているこの数には圧倒されるばかりですが、今回特に楽しんでいただけるポイントは“見比べ“。

『不思議の国のアリス』が初めて刊行された際、挿絵を描いたのは風刺画家のジョン・テニエルでした。

テニエルが挿絵で表現しにくいと反論した部分について、キャロルが物語を変更することもあったというエピソードも残っているほど。それぞれの仕事がお互いを補い合うことによりアリスの世界は完成したのですね。

1911年になると、当時の新しい技術である4色印刷によって本を出版するため、ハリー・シーカーがテニエルの作品の一部に色を付けました。この際に、「青いドレス、白いエプロン、長い金髪に青いリボン」というアリス像ができあがったのですよ。
展示はこのジョン・テニエル、ハリー・シーカー、ジョン・マックファーレン、ディズ・ウォリスによって描かれた同一場面の挿絵が並んだ構成となっていますから、それぞれが描く人物の表情の違いなどを興味深く見比べ、観察して楽しむことができます。

その後自分の線で描いたジョン・マックファーレンの彩色イラスト(真ん中)も登場しつつ、さらに時代を経て、ディズ・ウォリス(右端)により、『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』の挿絵はすべてカラーになりました。

そして、どの場面描写もジョン・テニエルが描いた当初の挿絵を忠実に踏襲しています。

作家それぞれの初版へのリスペクトはもちろん、マクミラン社が160年間にわたって「アリス」を大切にしてきたということが伝わってきますね。

上記展示の左から二番目の絵は、なんと作者ルイス・キャロル自らが出版前に描いていた挿絵なのです。それにも、アリスと大きなむく犬が描かれていますね。
ジョン・テニエルはもちろんキャロルの挿絵も参考にして描いていたそうですよ!贅沢な“見比べ”ができる展示が多数ございますのでじっくり観察なさってくださいね。

モノクロ無声の初映像化作品『不思議の国のアリス』(1903)の上映(写真は大阪会場)で盛り上がったら、美しい立体パネルのほか、フォトスポットもあるので工夫を凝らした記念撮影も可能です。

あなたも「おかしなお茶会」の一員になれるようお席を用意しております!


さてここからは大阪会場の写真でございます。

スペードが、もし偶然こんなウィンドウの前を通りがかってアリス展を知ったら、驚きと歓びでプチパニックです。

横浜会場とはちょっと違った雰囲気!会場が異なればそれぞれの入り口と構成がなされるものなのですね。それでもやはり気づけばそこはアリスの世界です。

約300種類が並ぶ展覧会併設ショップでは、どれもマクミラン・アリスの世界を持ち歩いたり、使ったり、食べたり(!?)と本を読んでいない時間まで楽しんでいただける商品たちが販売されています。


奥に見えます赤い背表紙は本展覧会の作品が余すところなく収められた図録、そして手前は展覧会限定品がずらり!皆さまも大変気になるところではあるかと存じますが……こちらはまた次のレポートでご紹介させていただくことでしょう。

さてさて、今回のご案内はここまで。

最後に次の会場のご案内をしなくては!
次の会場は名古屋 松坂屋美術館(2024年8月3日(土)~9月21日(土))を予定しております。

それぞれの会場にそれぞれのムードがありますね。次会場での『不思議の国のアリス展』をどうか楽しみになさってくださいませ!

<情報>
【名古屋 松坂屋美術館】2024年8月3日(土)~9月21日(土)
https://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/museum/


※下記会場でのイベントは盛況のうちに終了いたしました。
【横浜高島屋】2024年4月17日(水)~5月6日(月)
【大阪高島屋】2024年5月9日(木)~5月29日(水)

当記事に記載されている情報や画像は横浜会場、大阪会場開催当時のものとなりますのでご了承ください(ショップについてはすべて大阪会場)。

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