こんにちは。マクミラン・アリスの商品世界の案内人、ハートでございます。
今回ご紹介するのは、どんな売り場でも一等目を引くぬいぐるみです。
飾ってステキ、なでたら癒され、写真映えヨシ!の3拍子が揃っているぬいぐるみ、そのかわいらしさの裏にどんなこだわりや歴史が隠されているのかもちょっぴり深堀してみますよ。どうぞ最後までご覧くださいね。
白ウサギにハンプティ・ダンプティ、そしてチェシャー・ネコ。
現在販売されているマクミラン・アリスのぬいぐるみは、セキグチが制作する全3種。
「ぬいぐるみのセキグチ」がキャッチフレーズの株式会社セキグチの創業は、なんと大正7年。「ハイカラ」(西洋風で洒落ている)という言葉が流行していたころの東京・葛飾で、セルロイド人形の製造からスタートしました。
「粘土原型」→「人形の形を前後に分けた金型」→「金型にセルロイドを吹込んで成形」→「バリトリ(はみ出た生地を削り整えること)」→「手作業での彩色」などなど!
セルロイド人形の製造には、多くの工程が必要です。
出来あがったキューピー人形たちは、アメリカから来たバイヤーを通して輸出されていました。ブラックフライデーまでに納品するため、近隣のみんなで助け合っても毎年夏は大忙しだったそうです。
しかしセルロイドは、プリントが退色しずらい利点がある一方、非常に燃えやすく、危険とみなされて、1954年以降、アメリカで輸入禁止の方向に!ガーン!!
そこで、セルロイドに替わる素材を各メーカーさんが研究する中、関口加工株式会社(株式会社セキグチの前身)は、ソフトビニール人形の技術を完成、製造を開始します。
西洋の文化を象徴するものとして人気だったセルロイド製から、髪の毛なども植えられるソフトビニール製に替わったことで、ミルク飲み人形やファッションドールなどのヒット商品も出現。
さらに怪獣やヒーローなども登場して、いわゆる「ソフビ」人形は大人気に。
子どもたちの夢や日々の暮らしに寄り添う玩具として、人形の需要は高まります。
万国共通で人気のあるお人形を作りたい!そんな思いから、セキグチでとうとうやわらかい布製の動物のぬいぐるみが発売に。
当初は子どものおもちゃとして始まったぬいぐるみですが、毛並みや表情、ポーズに至るまで進化を続け、年齢性別に関係なく愛されるパートナーになりました。
今や、ぬいぐるみをお出かけに連れ出しては、写真や動画に撮影しSNSで共有する人々の行為は「ぬい撮り」(そんな言葉が!)と呼ばれ、新たな文化になっています。
初公開!そんな作り手の魂がこもったぬいぐるみのスケッチ画!!
こちらは、マクミラン・アリスのぬいぐるみを製作するため、デザイナーさんが描いたものです。
更にどんな作業をなさるのかお聞きしたところ、神的なアンサーが返ってきました。
例えば、この白ウサギのスケッチイラストから、360度全方向から写真を撮ったかのような立体白ウサギを頭の中に出現させます。
そのイメージから2次元の型紙を制作。そして、その型紙を基に裁断した生地を縫い上げて、頭の中の3次元のイメージ通り、ぬいぐるみに仕上げるのですって!まさに、直観力による職人技ですね!!
それではいよいよ、マクミラン・アリスのぬいぐるみの魅力を詳しくご紹介いたしましょう。
まずは、アリスが不思議の国に足を踏み入れるきっかけとなった『白ウサギ』。
最初、チェックのチョッキを着て、くさり時計をもって慌てていた白ウサギですが、次にアリスが会ったときには、王様の裁判をすすめる布告役として登場します。
トランプマークのハートデザインと青いリボン、そして首周りを覆う襞衿(ひだえり)の正装が立派でしょう?
襞衿は、当時の肖像画でも、「いかにその襞(ひだ)を美しく描けるか」で画家の技量が問われたらしいですよ。
ちょこんとしたサイズ感とフラッフィーな手触りは癒し効果も抜群ですね♪
ぬいぐるみは、型に入れてつくれないため、この白ウサギも一つずつが手縫いです。
もちろんこの襞衿も!手作業で均一に折りたたみ、糸で丁寧に衿元に縫い付けられています~。
ぬいぐるみ職人界隈でも、衿元はどうなっている? 驚異の仕上がりだ、と噂されているそう。
きゅっと結ばれた口元をご覧ください。
白ウサギの凛々しい面持ちは、正に「マクミラン・アリスの白ウサギ」そのものです。
お次は、『チェシャー・ネコ』。
このポーズ!そして、この口元ったら!!
チェシャー・ネコの縞模様をきれいに出すために、しましまプリント用のインクも毛並みになじむように吟味されています。
人形にとって大事なひとみの色や素材も、実際に試して決定していくとのこと。白ウサギとチェシャー・ネコでも違うのです。
神出鬼没なイメージのチェシャー・ネコですが、初登場がいつだか、マクミラン・アリスファンの皆さまはご存じでしょうか?
こちらの挿絵をご覧ください。
左下、侯爵夫人の家の台所のかまど前に、同じポーズで座っていますよ。
侯爵夫人曰く「ネコならみんなできる」というこの「にやにや笑い」もそのままですね!
歯を見せて、にやにやして、なんとも不気味な、おなじみのこの表情。
これを見て、なんとなくほっとしてしまうのはハートだけでしょうか。
いえいえ、アリスもそうだったようです。
当初、そのにやにや笑いに戸惑ったアリスも、女王様とのクロケー大会を抜け出してチェシャー・ネコに再会したときは、こんな具合に、このネコに向かってぐちをこぼし始めていました。
もう一分すると、首が全部出てきたので、アリスはフラミンゴを下に置いて、聞いてくれる相手ができたのをとてもうれしく思いながら、ゲームのことを話しはじめました。ネコは、今はこれだけ見えればじゅうぶんだと思ったらしく、残りの身体は一向にあらわれませんでした。
「ゲームのやり方が全然フェアじゃないのよ」と、アリスはぐちをこぼしにかかりました
岩波少年文庫 『不思議の国のアリス』 脇明子訳/岩波書店刊
何かと気遣い空気を読み、ストレスの多い現代ではございますが、このかわいらしい丸い背中とふんわりとした太めのしっぽをなでればホッコリと、疲れも癒されそうですね。
アリス同様、チェシャー・ネコに愚痴をこぼしたりしてみてはいかがでしょう。
最後は『ハンプティ・ダンプティ』。
『鏡の国のアリス』にはこんなシーンがあります。
ハンプティ・ダンプティは高いへいのてっぺんに、トルコ人みたいに足をくんですわっていました。それも、ひどくせまいへいの上に、よくまあ、つりあいがとれるもんだ、と思うほどあぶなっかしいかっこうで、のっかっているのです。―しかも、アリスのことには、ぜんぜん気がつかないみたいに、そっぽをむいたままでいるものですから、アリスは、これはきっとはく製にちがいない、と思いました。
偕成社文庫 『鏡の国のアリス』完訳版 芹生一訳/偕成社刊
一見して「はく製」と思われたハンプティ・ダンプティは、イケてるオジさん的なお顔が印象的。
このぬいぐるみは、そんな挿絵を再現しながらも、なぜかかわいい、という絶妙な存在感に溢れています。ついついこのまんまるとした玉子のような頭をくりくりと愛でたくなるかわいさです。
青いネクタイがポイントのおしゃれなハンプティ・ダンプティは、インテリアにもおすすめですが、ぜひお部屋の決して落ちないところにおいてあげてくださいませ!
ハートといたしましては、このハンプティ・ダンプティ様こそ、皆様とさまざまな観光地に同行して「ぬい撮り」するには、ナンバーワンだったりもするのですけどね、フフフ。
ハンプティ・ダンプティ様について、もっと詳しくお知りになりたい方は、こちらの紹介ページもご覧ください。
ぬいぐるみなら、万が一落ちても割れたりはしませんが、重ねて申し上げます。
絶壁と強風にはどうかご用心くださいませ~!
◆マクミラン・アリス ぬいぐるみSサイズ
白ウサギ:税込4,620円
チェシャー・ネコ:税込3,740円
ハンプティ・ダンプティ:税込3,080円
最後にご紹介するのはぬいぐるみ素材でできたバッジ「ぬいバッジ」3種です。
カバンや洋服に着けて、とってもかわいく手軽に持ち歩ける「ぬいバッジ」は大人気。
3つのキャラクターはいずれも、物語の中でアリスを導いたり、教えたりする役回りですから、言ってみれば持ち歩ける守り神たちなのかも?!
平面的にデフォルメされていても、顔だけが浮かび上がったチェシャー・ネコ、ラッパを吹く白ウサギ、シニカルに一点をみつめるハンプティ・ダンプティなど、それぞれの特徴やまなざしがしっかりと挿絵の世界観を伝えていますね!
ぬいぐるみとはまた違った表情とかわいらしさがありますので、どれとは言わずして、みんな手にしてくださいませ。
◆マクミラン・アリス ぬいバッジ
白ウサギ/チェシャー・ネコ/ハンプティ・ダンプティ:各税込990円
商品のご購入は、セキグチオンラインショップ、マクミラン・アリス公式オンラインショップほか各種販売店でどうぞ
さてさて、今回のご案内はここまで。
次回はどんな商品をご案内しましょうか……実は決まっているのですけれども、まだここではお話できませんのです。ですからどうか次回を楽しみになさってくださいね。